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NFT式・DFT式水耕栽培の違いと作り方|家庭用システムの構築

公開: 2026年2月6日更新: 2026年2月12日
NFT式・DFT式水耕栽培の違いと作り方|家庭用システムの構築

NFT式(薄膜型水耕)とDFT式(湛液型水耕)の水耕栽培システムの違い、メリット・デメリット、家庭用システムの構築方法をわかりやすく詳しく解説。初心者向けのおすすめシステム選びのポイント、栽培環境の整備方法も紹介します。

NFT式・DFT式水耕栽培の違いと作り方|家庭用システムの構築

はじめに

水耕栽培は土を使わずに養液で野菜やハーブを栽培する革新的な手法です。その中でもNFT式(薄膜型水耕)DFT式(湛液型水耕) の2つの主流システムがあります。この記事では、初心者からベテランまでが理解できるよう、2つの方式の違いと、家庭用システムの構築方法をわかりやすく解説します。

NFT式水耕栽培とは|特徴と仕組み

NFTの基本概念

NFT(Nutrient Film Technique)は1973年にイギリスで開発された栽培方法です。緩やかな傾斜のついた栽培ベッドに、培養液を1cm程度の薄さで流し続ける特徴があります。

NFT式水耕栽培とは|特徴と仕組み - illustration for NFT式・DFT式水耕栽培の違いと作り方|家庭用システムの構築
NFT式水耕栽培とは|特徴と仕組み - illustration for NFT式・DFT式水耕栽培の違いと作り方|家庭用システムの構築

基本的な仕組み:

  • 傾斜パネルに培養液を薄く流す
  • パンプで養液を循環させる
  • 根が常に薄い液膜に接する
  • 根が空気中の酸素も吸収できる

NFT方式のメリット

  1. 優れた酸素供給

根が液膜と空気に同時に接するため、酸素不足になりにくく、植物が健康に生育します。

  1. 低コストな温度管理

液量が少ないため、冷却や加温にかかるエネルギーコストが低くなります。

  1. 省スペース設置

小規模な設備で運用でき、狭いスペースに設置可能です。

  1. 水の使用量が少ない

貴重な水が限られた地域でも水耕栽培を実践できます。

NFT方式のデメリット

  • 電力依存性が高い - 停電によるポンプ停止で即座に栽培が不可能になります
  • 管理が複雑 - 液温・肥料濃度の変化に敏感で、常時注視が必要です
  • 小規模運用 - 大規模生産には向きません

DFT式水耕栽培とは|特徴と仕組み

DFTの基本概念

DFT(Deep Flow Technique、湛液型水耕)は、栽培ベッドに数cm溜めた培養液に植物を浮かせる方式です。

DFT式水耕栽培とは|特徴と仕組み - illustration for NFT式・DFT式水耕栽培の違いと作り方|家庭用システムの構築
DFT式水耕栽培とは|特徴と仕組み - illustration for NFT式・DFT式水耕栽培の違いと作り方|家庭用システムの構築

基本的な仕組み:

  • 水槽に数cmの養液をためる
  • 栽培パネルを水面に浮かす
  • エアーポンプで酸素供給
  • 根が常に養液に浸かる

DFT方式のメリット

  1. 管理が容易

培養液量が多いため、肥料濃度や液温の変化がゆるやかで、管理しやすいです。

  1. 停電への耐性

停電時でも、一定期間は植物が水中の酸素で生育を続けられます。

  1. 安定した生育

劇的な環境変化がないため、初心者でも安定した収穫が可能です。

  1. 大規模栽培に適応

商業的な生産にも採用される実績があります。

DFT方式のデメリット

  • 根腐れのリスク - 酸素不足時に根腐れが起こりやすい
  • エアーポンプが必須 - 常時動作が必要で、停止は植物に悪影響
  • 液量が多い - 初期投資が大きくなります

NFT式とDFT式の比較表

項目NFT式DFT式
液膜の深さ1cm程度数cm~10cm
酸素供給方法薄膜+空気エアーポンプ
管理難易度高(常時注視)低(比較的簡単)
停電への耐性弱い強い
初期投資低いやや高い
家庭向け適性中程度高い
商業利用可能広く使用
推奨初心者

家庭用NFT式システムの構築方法

詳細な情報は養液栽培システムガイドを参照してください。

必要な材料と部品

  • 栽培パネル - 傾斜度3~5度のプラスチックパイプまたはPVC管
  • 給液パイプ - 根に養液を供給する点滴パイプ
  • 循環ポンプ - 養液をくみ上げるもの(500~1000W
  • 貯液タンク - 養液を貯蔵(50~100L程度)
  • pH・EC測定器 - 水質管理に必須
  • 接続パイプ・継ぎ手 - 各部品を結ぶ

構築ステップ

  1. タンクの設置

栽培パネルより30cm以上低い位置に貯液タンクを置きます。

  1. パネルと配管の組立

パネルを3~5度の傾斜に設置し、給液パイプで上端に接続します。

  1. ポンプの接続

貯液タンクからポンプ経由で給液パイプへ接続します。

  1. タイマー設定

1日15~20時間の稼働で十分です。

  1. 養液管理開始

EC値1.5~2.0、pH6.0~6.5を目安に管理します。

家庭用DFT式システムの構築方法

必要な材料と部品

  • 栽培タンク - 深さ15~20cmのプラスチック槽(容量100L以上推奨)
  • 栽培パネル - 発泡スチロール製が一般的
  • エアーポンプ - 大気を養液に送り込む(100W程度)
  • エアストーン - ポンプから出た空気を細かくする
  • 配管 - エアチューブと結合部品
  • pH・EC測定器 - 水質管理用

構築ステップ

  1. タンク準備

大きなプラスチック容器を用意し、栽培用に200個程度の穴をあけます。

  1. エアストーン設置

タンク底部にエアストーン(または砂利)を敷きます。

  1. 栽培パネル配置

発泡スチロール板を水面に浮かせます。

  1. エアポンプ接続

エアーポンプをエアストーンに接続し、24時間運転します。

  1. 野菜定植

レタス、サンチュ、春菊などの軽い野菜を定植します。

DFT方式に向いた野菜

DFT方式は根が常に水中にあるため、特定の野菜に最適です:

  • 葉野菜 - レタス、サンチュ、春菊、小松菜、ほうれん草
  • ハーブ - バジル、パセリ、オレガノ
  • 果菜 - トマト(品種選択が重要)、イチゴ、パプリカ

これらは比較的浅い根で、エアーポンプからの酸素供給で十分に生育します。

初心者が選ぶべきシステム

水耕栽培の初心者向けガイドとして、DFT/NFT方式の比較解説も参考になります。

NFT式がおすすめな人

  • 毎日チェックできる時間がある
  • 最高の生育結果を求めている
  • スペースに制約がある
  • 水を節約したい

DFT式がおすすめな人

ほとんどの初心者はDFTがおすすめです

  • 管理の負担を軽くしたい
  • 安定した収穫を求めている
  • 停電対策を考慮したい
  • 大規模に栽培したい

葉物野菜の育て方完全ガイド では、DFT方式で栽培しやすい野菜をさらに詳しく解説しています。

運用時の重要なポイント

養液管理

pH管理 - 6.0~6.5を維持

EC値 - 1.5~2.0が目安

温度 - 15~25℃が理想的

定期的な交換 - 4~6週間ごとに新しい養液に

水質トラブルシューティング

症状原因対策
根が茶色い根腐れ・酸素不足エアーポンプ強化、液温低下
葉が黄色い栄養不足肥料濃度を上げる
葉がしおれる液温が高い冷却、遮光で温度低下
カビが発生湿度が高い通風改善、除菌処理

自作システムのコスト比較

NFT式の目安

  • パイプ・パネル:3,000~5,000円
  • ポンプ:2,000~4,000円
  • タンク・配管:2,000~3,000円
  • 合計:7,000~12,000円DFT式の目安
  • タンク・パネル:3,000~6,000円
  • エアーポンプ:1,500~3,000円
  • エアストーン・配管:1,000~2,000円
  • 合計:5,500~11,000円

市販キットは20,000~50,000円が一般的なため、自作で大幅にコスト削減できます。

よくある質問Q&A

Q1: 停電が心配です。どちらを選べばいい?

A: DFT方式がおすすめです。停電後も数時間は植物が生育できます。NFTは停電で即座に問題が生じます。

Q2: 初心者でも安定して育てられる?

A: DFT方式なら、基本を守れば初心者でも安定します。NFTは毎日のチェックが必須です。

Q3: ナスやトマトも育てられる?

A: DFT方式で可能ですが、深さ20cm以上のシステムが必要です。NFTも可能ですが、根が大きく成長するため設計が複雑になります。

Q4: 冬場の運用は?

A: DFT方式なら、液温を加温すれば冬でも栽培可能です。NFTは液温管理がより重要になります。

まとめ

さらに詳しい情報はエムエーエスインターナショナルのブログもご参照ください。

NFT式とDFT式は、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります:

  • NFT式 - 水節約、省エネ、高管理難易度
  • DFT式 - 安定管理、初心者向き、安心運用

家庭用としては、ほとんどの場合DFT方式がおすすめ です。安定性と管理の簡潔さが、長期的な栽培成功の鍵になります。

トマトの育て方完全ガイドいちごの育て方完全ガイド と組み合わせることで、水耕栽培をさらに効果的に活用できます。

あなたのスペースと生活スタイルに合わせて、最適なシステムを選択してください。

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