じゃがいもの栽培カレンダー|地域別の植え付け・収穫スケジュール

北海道から沖縄まで、地域別のじゃがいも栽培カレンダーを徹底解説。春植え・秋植えの最適な植え付け時期、収穫時期、月別管理スケジュールを詳しく紹介します。失敗しない栽培計画の立て方、地温管理、霜害対策、梅雨時期の疫病リスク回避方法も解説。初心者から上級者まで役立つ完全ガイドです。
じゃがいもの栽培カレンダー|地域別の植え付け・収穫スケジュール
じゃがいもは日本全国で栽培されている人気の野菜ですが、地域によって最適な植え付け時期や収穫時期が大きく異なります。この記事では、北海道から九州まで、各地域に適したじゃがいもの栽培カレンダーを詳しく解説します。
じゃがいもの生育適温は15~20℃で、寒冷地の夏作から暖地の冬作まで、日本には4つの主要な作型が存在します。農林水産省のデータによると、じゃがいも栽培は地域の気候特性に合わせて最適化されています。北海道だけで日本の生鮮じゃがいもの約80%を生産しており、地域ごとの気候特性を活かした栽培が行われています。
じゃがいもの育て方完全ガイドでは基本的な栽培方法を紹介していますが、本記事では特に地域別のスケジュール管理に焦点を当てます。
地域別のじゃがいも栽培スケジュール早見表
日本各地のじゃがいも栽培スケジュールを一覧表で確認しましょう。

| 地域 | 植え付け時期 | 収穫時期 | 栽培期間 | 作型 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 4月下旬~5月中旬 | 7月下旬~9月上旬 | 約100~120日 | 夏作(単作) |
| 東北地方 | 3月中旬~4月中旬 | 6月下旬~8月上旬 | 約100日 | 春植え(単作) |
| 関東地方 | 2月下旬~3月中旬(春)<br>8月中旬~9月上旬(秋) | 5月下旬~6月下旬(春)<br>11月中旬~12月中旬(秋) | 約90~100日 | 春秋二毛作 |
| 中部地方 | 2月下旬~3月中旬(春)<br>8月下旬~9月中旬(秋) | 6月上旬~6月下旬(春)<br>11月下旬~12月下旬(秋) | 約100日 | 春秋二毛作 |
| 関西地方 | 2月中旬~3月上旬(春)<br>8月下旬~9月中旬(秋) | 5月下旬~6月中旬(春)<br>11月下旬~12月中旬(秋) | 約90~100日 | 春秋二毛作 |
| 中国・四国 | 2月上旬~3月上旬(春)<br>8月下旬~9月下旬(秋) | 5月中旬~6月中旬(春)<br>11月下旬~12月下旬(秋) | 約90~100日 | 春秋二毛作・冬作 |
| 九州地方 | 1月下旬~3月上旬(春)<br>8月下旬~9月下旬(秋) | 4月下旬~6月上旬(春)<br>11月中旬~12月下旬(秋) | 約90日 | 春秋二毛作・冬作 |
| 沖縄 | 10月下旬~12月中旬 | 2月上旬~3月下旬 | 約90~100日 | 冬作(単作) |
この表からわかるように、北海道と東北では年に1回の栽培、関東以西では春植えと秋植えの年2回栽培が可能です。沖縄では冬季に栽培を行います。
北海道・東北地方の栽培カレンダー
北海道の夏作じゃがいも栽培
北海道は日本最大のじゃがいも産地で、夏季の冷涼な気候を活かした栽培が特徴です。

植え付け時期:4月下旬~5月中旬
- 雪解け後、地温が10℃以上になってから植え付けます
- 霜害のリスクが低くなる5月に入ってからが安全です
- 品種は「男爵」「メークイン」「きたあかり」などが人気です
生育期間:5月~8月
- 6月:萌芽・茎葉の成長期
- 7月:開花期・塊茎肥大開始
- 8月:塊茎肥大最盛期
収穫時期:7月下旬~9月上旬
- 早生品種は7月下旬から収穫開始
- 晩生品種は8月下旬~9月上旬に収穫
- 茎葉が黄変してから収穫すると皮が厚く貯蔵性が向上します
北海道では夏季の涼しい気候がじゃがいもの生育に最適で、病害虫の発生も比較的少ないため、品質の高いじゃがいもが生産されています。
東北地方の春植えじゃがいも栽培
東北地方も北海道同様、春植えの単作が基本です。
植え付け時期:3月中旬~4月中旬
- 北海道より早く、3月中旬から植え付け可能です
- 晩霜の心配がなくなる4月上旬が最適です
- 地温が8~10℃以上になってから植え付けます
収穫時期:6月下旬~8月上旬
東北地方では、土づくりと肥料の基礎知識を参考に、春先の土壌準備を入念に行うことが成功のポイントです。
関東・中部地方の栽培カレンダー
関東・中部地方では春植えと秋植えの年2回栽培が可能です。

春植えじゃがいも(2月下旬~3月中旬植え付け)
植え付け時期:2月下旬~3月中旬
- 霜害のリスクが低くなる2月下旬から植え付け開始
- 地温が10℃以上になっていることを確認します
- 黒マルチを使用すると地温上昇を促進できます
管理のポイント:3月~5月
- 3月下旬:芽かき(1株2~3本に整理)
- 4月上旬~中旬:1回目の土寄せ
- 4月下旬~5月上旬:2回目の土寄せ
- 5月:開花期、追肥は不要です
収穫時期:5月下旬~6月下旬
- 茎葉が黄変し始めたら収穫適期です
- 梅雨入り前に収穫を完了させることが重要です
- 晴天が続く日を選んで収穫すると品質が良くなります
春植えじゃがいもは、梅雨時期の疫病リスクを避けるため、早めの収穫が推奨されます。
秋植えじゃがいも(8月中旬~9月上旬植え付け)
植え付け時期:8月中旬~9月上旬
- 残暑が続く時期ですが、種芋の腐敗に注意します
- 浴光催芽(種芋に光を当てて芽を出させる処理)を行います
- 秋植え用品種「デジマ」「アンデスレッド」などを選びます
管理のポイント:9月~11月
- 9月:萌芽期、適度な水やりが必要です
- 10月:生育期、土寄せを2回実施します
- 11月:塊茎肥大期、霜が降りる前に収穫します
収穫時期:11月中旬~12月中旬
- 霜が降りる前に収穫を完了させます
- 春植えより小ぶりですが、甘みが強いのが特徴です
秋植えは春植えよりも栽培期間が短く、病害虫も少ない傾向にあります。野菜の害虫・病気対策完全ガイドも参考にしてください。
関西・中国・四国地方の栽培カレンダー
関西以西では、より早い時期から春植えが可能になります。
春植えじゃがいも(2月上旬~3月上旬植え付け)
植え付け時期:2月上旬~3月上旬
- 関東より約2~3週間早く植え付けられます
- 暖地では2月上旬から可能ですが、霜に注意が必要です
- マルチ栽培を活用すると安定した収穫が期待できます
収穫時期:5月中旬~6月中旬
- 関東より早く収穫できるため、市場価格が有利になります
- 梅雨入り前の収穫を目指します
秋植えじゃがいも(8月下旬~9月下旬植え付け)
植え付け時期:8月下旬~9月下旬
- 残暑の影響を受けやすいため、種芋の保管に注意します
- 涼しくなる9月中旬以降が安全です
収穫時期:11月下旬~12月下旬
- 霜が降りる前に収穫を完了させます
- 中国・四国地方では、軽微な霜なら葉が枯れても塊茎は無事なことが多いです
関西から西の地域では、プランター・ベランダ菜園の完全ガイドでも紹介しているように、プランターでの栽培も盛んです。
九州・沖縄地方の栽培カレンダー
最も温暖な地域では、冬作も可能です。
九州地方の春植え・秋植え
春植え:1月下旬~3月上旬植え付け
- 全国で最も早く植え付けが可能です
- 早出しで市場価格が高くなるメリットがあります
- 収穫時期:4月下旬~6月上旬
秋植え:8月下旬~9月下旬植え付け
- 台風シーズンと重なるため、風対策が必要です
- 収穫時期:11月中旬~12月下旬
沖縄の冬作じゃがいも
植え付け時期:10月下旬~12月中旬
- 沖縄では夏季が高温すぎるため、冬季に栽培します
- 気温が25℃以下になる10月下旬から植え付けます
収穫時期:2月上旬~3月下旬
- 本土で野菜が不足する時期に収穫できるため、貴重な産地です
- 台風の影響が少ない時期を選びます
沖縄では、家庭菜園の始め方完全ガイドで紹介している基本的な栽培方法をベースに、亜熱帯気候に適応した工夫が必要です。
栽培カレンダー作成時の重要ポイント
地温の確認が最重要
植え付け時期を決める最も重要な要素は気温ではなく地温です。
- 最低地温:8~10℃以上
- 地温が低すぎると種芋が腐敗します
- 土壌温度計で測定するか、桜の開花を目安にします
- 黒マルチを使用すると地温を3~5℃上昇させられます
霜害リスクの回避
じゃがいもの芽は軽い霜には耐えられますが、-2℃以下になると枯死します。
- 最終霜降日から逆算して植え付け時期を決めます
- 霜注意報が出たら、不織布や新聞紙で被覆します
- 芽が出る前なら霜の影響は受けません
梅雨時期との調整
春植えじゃがいもは、梅雨時期の疫病リスクを避ける必要があります。
- 梅雨入り前(6月上旬~中旬)に収穫完了を目指します
- 疫病が発生しやすい多湿条件を避けます
- 早生品種を選ぶことで収穫時期を早められます
品種選びと栽培期間
品種によって栽培期間が異なるため、地域の気候に合わせた品種選びが重要です。
| 品種タイプ | 栽培期間 | 代表品種 | 適した地域 |
|---|---|---|---|
| 早生品種 | 80~90日 | インカのめざめ、さやあかね | 梅雨が早い地域 |
| 中生品種 | 90~100日 | 男爵、メークイン、きたあかり | 全国 |
| 晩生品種 | 100~120日 | トヨシロ、紅丸 | 冷涼地 |
| 秋植え専用 | 90~100日 | デジマ、アンデスレッド | 暖地の秋植え |
早生品種を選ぶことで、梅雨前の収穫が確実になります。
月別の栽培管理カレンダー
年間を通じた詳細な管理スケジュールを確認しましょう。

1月
- 九州:春植えの準備開始、種芋の準備
- 沖縄:冬作の生育期、追肥・土寄せ
2月
- 関西以西:春植えの植え付け開始
- 関東:春植えの準備、種芋の催芽処理
- 沖縄:冬作の収穫開始
3月
- 関東・中部:春植えの植え付けピーク
- 東北:春植えの準備開始
- 九州:春植えの芽かき・土寄せ
4月
- 北海道:春植えの植え付け開始
- 関東以西:春植えの追肥・土寄せ
- 九州:春植えの収穫開始(早生品種)
5月
- 北海道:春植えの芽かき・土寄せ
- 関東:春植えの収穫準備
- 九州:春植えの収穫ピーク
6月
- 東北・関東:春植えの収穫ピーク
- 北海道:開花期、塊茎肥大開始
- 梅雨対策(疫病予防)
7月
- 北海道:塊茎肥大期
- 東北:春植えの収穫完了
- 関東以西:秋植えの準備開始
8月
- 北海道:早生品種の収穫開始
- 関東以西:秋植えの植え付け開始
- 種芋の浴光催芽処理
9月
- 北海道:収穫ピーク
- 関東以西:秋植えの萌芽・芽かき
- 沖縄:冬作の準備開始
10月
- 北海道:収穫完了、貯蔵開始
- 関東以西:秋植えの土寄せ
- 沖縄:冬作の植え付け開始
11月
- 関東以西:秋植えの収穫開始
- 沖縄:冬作の芽かき・土寄せ
- 霜対策(マルチ・被覆)
12月
- 関東以西:秋植えの収穫完了
- 沖縄:冬作の追肥・土寄せ
- 来年の栽培計画作成
このように、日本全国どこかで常にじゃがいもが栽培されています。
失敗しない栽培カレンダーの立て方
自分の地域に最適な栽培カレンダーを作成するための手順を紹介します。
ステップ1:気象データの収集
- 自分の地域の気象庁データを確認します
- 最終霜降日と初霜日を調べます
- 梅雨入り・梅雨明けの平年値を確認します
- 月別平均気温を把握します
ステップ2:栽培期間の逆算
- 収穫したい時期を決めます
- 品種の栽培期間(90~120日)を逆算します
- 植え付け適期を算出します
例:関東で6月10日に収穫したい場合
- 中生品種(100日)を選択
- 100日前 = 3月2日が植え付け目安
- 地温確認後、3月上旬に植え付け実施
ステップ3:作業スケジュールの作成
植え付けから収穫までの主要作業をカレンダーに記入します。
- 植え付け日
- 芽かき(植え付けから20~30日後)
- 1回目の土寄せ(芽かきと同時)
- 2回目の土寄せ(1回目から2~3週間後)
- 収穫予定日
ステップ4:リスク管理の追加
気象リスクへの対策をカレンダーに組み込みます。
- 霜害対策期間のマーク
- 梅雨時期の疫病警戒期間
- 台風シーズン(9月)の注意喚起
- 猛暑期(8月)の植え付け回避
土づくりと肥料の基礎知識を参考に、植え付け1ヶ月前からの土づくりスケジュールも追加しましょう。
まとめ:地域に合わせた栽培カレンダーで成功率アップ
じゃがいも栽培を成功させるには、自分の地域の気候特性を理解し、適切な時期に適切な作業を行うことが不可欠です。
重要ポイントの復習
- 地温10℃以上になってから植え付ける
- 北海道・東北は春植え単作、関東以西は春秋二毛作が可能
- 梅雨前の収穫を目指して植え付け時期を調整する
- 品種の栽培期間を考慮してスケジュールを立てる
- 霜害と疫病のリスク管理を徹底する
この記事で紹介した地域別の栽培カレンダーを参考に、あなたの地域に最適なじゃがいも栽培スケジュールを作成してください。計画的な栽培管理により、毎年安定した収穫が期待できます。
より詳しい栽培テクニックについては、じゃがいもの育て方完全ガイドもあわせてご覧ください。また、家庭菜園の始め方完全ガイドでは、じゃがいも以外の野菜も含めた年間栽培計画の立て方を解説しています。
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