大根・かぶの育て方完全ガイド|根菜栽培の基本とコツ
大根とかぶは、日本の家庭菜園で最も人気のある根菜です。白くて太い大根、丸くて柔らかなかぶ、どちらも初心者から上級者まで楽しめる野菜として知られています。本記事では、種まきから収穫まで、

大根・かぶの育て方完全ガイド|根菜栽培の基本とコツ
大根とかぶは、日本の家庭菜園で最も人気のある根菜です。白くて太い大根、丸くて柔らかなかぶ、どちらも初心者から上級者まで楽しめる野菜として知られています。本記事では、種まきから収穫まで、プランター栽培も含めた大根・かぶの育て方を徹底解説します。「大根十耕」ということわざが示すように、土作りの段階から丁寧に取り組むことで、甘くて美味しい根菜を収穫できます。
大根・かぶ栽培の基本知識
大根とかぶは、どちらもアブラナ科の根菜で、冷涼な気候を好みます。栽培期間は品種により異なりますが、大根は50~60日、かぶは40~90日程度で収穫できます。
初心者の方には、病害虫の発生が少ない秋まき栽培がおすすめです。8月中旬から9月中旬に種をまき、11月から翌年1月にかけて収穫する方法は失敗が少なく、トウ立ちもしにくいため安定した収穫が期待できます。
春まき(4月上旬~5月上旬)も可能ですが、害虫が多く、気温の上昇でトウ立ちしやすいため、栽培経験を積んでからチャレンジすることをおすすめします。
大根とかぶの違い
| 項目 | 大根 | かぶ |
|---|---|---|
| 形状 | 細長い円筒形 | 丸い球形 |
| 栽培期間 | 50~60日 | 40~90日 |
| プランター深さ | 30cm以上 | 15cm以上 |
| 収穫サイズ | 直径6~8cm、長さ30~40cm | 小カブ:4~5cm、中カブ:8~10cm |
| 主な調理法 | 煮物、おろし、漬物 | 煮物、サラダ、漬物 |
大根は深く根を張るため、露地栽培または深いプランターが必要です。一方、かぶは浅めのプランターでも栽培でき、深さ15cm以上あれば十分育てられます。
土作りと畝の準備
大根栽培の成功は、「大根十耕」ということわざが示すように、土作りにかかっています。良く耕してから種をまくことが最大の秘訣です。

露地栽培の土作り
種まきの1週間前に、以下の手順で土作りを行います:
- 1m²あたり完熟牛ふん堆肥2kgと粒状肥料を投入し、土全体にまんべんなく混ぜ込みます
- 深さ30cm以上しっかりと耕し、大きな土の塊を砕いてふかふかの状態にします
- 畝幅60~70cm、高さ10~15cmの畝を作ります
- 表面を平らにならし、水はけを良くします
大根は養分の少ない土地でも育ちますが、土の通気性と排水性が非常に重要です。石や固い土の塊があると、根が曲がったり二股に分かれたりする「岐根」の原因になります。
プランター栽培の土作り
かぶや短根系ミニ大根は、プランターでも十分栽培できます。
プランターの底に鉢底石を2~3cm敷き、排水性を確保します。土は市販の野菜用培養土を使うと、肥料配合済みで初心者でも失敗が少なくなります。
自分で配合する場合は、赤玉土:腐葉土:堆肥を6:3:1の割合で混ぜ、pH5.8~6.8に調整します。
種まきの方法とタイミング
種まき時期
秋まき栽培のスケジュールは以下の通りです:
- 8月下旬:11月収穫を目指す場合
- 9月中旬:12月~翌年1月収穫を目指す場合
秋まきは病害虫に強く、初心者におすすめです。気温が下がる時期なので、害虫の活動が鈍り、トウ立ちのリスクも低くなります。
大根の種まき手順
- 株間30cmの間隔で、深さ1cmのまき穴を作ります
- 1カ所につき5~6粒の種を点まきします(種同士が重ならないように)
- 種の上に薄く土をかけ(覆土1cm程度)、手のひらで軽く押さえます
- たっぷりと水やりをします(ジョウロで優しく、種が流れないように注意)
種まき後、土が乾燥しないように毎日水やりをします。発芽まで3~4日かかります。
かぶの種まき手順
かぶはすじまきまたは点まきで育てます:
すじまき方式(おすすめ)
- 棒や支柱で深さ5~10mmのまき溝を作ります
- 2条で育てる場合は、条間を10~15cm取ります
- 溝に沿って種を1cm間隔でまき、薄く覆土します
- たっぷり水やりをします
種まき後4~5日で発芽するので、毎日観察しましょう。
間引きと追肥の方法
間引きは、健全な株を育てるための最重要作業です。適切なタイミングで行うことで、根がしっかり太ります。

大根の間引き(3回)
大根は3回に分けて間引きを行い、最終的に1本立ちにします:
| 回数 | タイミング | 残す株数 | 作業内容 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 双葉が開いたとき | 3本 | 痛んだ苗や勢いのない苗を抜く |
| 2回目 | 本葉2~3枚 | 2本 | 生育の良い苗2本を残し、株元に追肥・土寄せ |
| 3回目 | 本葉5~6枚 | 1本 | 最も元気な1本を残す |
間引きのコツ:残す株の根を傷めないよう、不要な株を指でつまんで引き抜きます。土が固い場合は、残す株の根元を押さえながら抜くと良いでしょう。
かぶの間引き(3回)
かぶも同様に3回間引きます:
- 1回目(発芽後):ハート形の子葉が出たとき、株間2~3cmに間引く
- 2回目(本葉1~2枚):株間4~5cmになるように間引き、追肥を行う
- 3回目(本葉3~4枚):最終株間10~12cmに間引く
間引きは残す株の根を傷めないようにすることが重要です。かぶは根が浅いため、特に慎重に作業します。
追肥のタイミングと方法
- 2回目の間引き後:株まわりに化成肥料を1m²あたり30g程度まき、土と軽く混ぜて土寄せします
- 3回目の間引き後:同様に追肥し、株元に土を盛り上げます
土寄せは、根が露出して緑化するのを防ぎ、倒伏を予防する効果があります。
水やりと管理のポイント
水やりの基本
露地栽培の場合
基本的に自然の雨で十分ですが、乾燥が続く場合はこまめに観察して水やりをします。特に発芽から本葉3~4枚までの時期は、土が乾きすぎないよう注意が必要です。

プランター栽培の場合
- 発芽まで:毎日水やり(土が乾燥しないように)
- 発芽後:土の表面が乾いたらたっぷり与える
- 根が太り始めたら:やや控えめにする(過湿を避ける)
水分過多は裂根や根腐れの原因になるため、水のやり過ぎには注意します。一方、乾燥が続くと「ス入り」(根の中に空洞ができる)の原因になるため、バランスが重要です。
病害虫対策
秋まき栽培では害虫被害が少ないですが、以下の対策を行うと安心です:
主な害虫と対策
主な病気と対策
- 軟腐病:過湿が原因。水はけの良い土作りと、水やりの調整で予防します
- 黒斑病:種子消毒済みの種を使い、密植を避けます
防虫ネットのトンネル栽培を行うと、害虫被害をほぼゼロにできます。種まき直後から収穫まで、不織布や防虫ネットでトンネルを作ると安心です。
収穫のタイミングと方法
大根の収穫
収穫の目安は、根の直径が6~8cm、地上部が3~4cm程度顔を出したときです。品種により異なりますが、種まきから50~60日が目安となります。
収穫方法
- 大根の葉の根元をしっかり持ちます
- 株を少し揺すりながら、まっすぐ上に引き抜きます
- 土が固い場合は、周囲の土を軽く掘り起こしてから抜くとスムーズです
収穫が遅れると、「ス入り」(中に空洞ができる)したり、裂根したりするため、適期を逃さないことが重要です。
かぶの収穫
かぶは根が肥大したものから、間引くようにして順次収穫します:
- 小カブ:直径4~5cm(種まき後40~50日)
- 中カブ:直径8~10cm(種まき後50~60日)
- 大カブ:直径20~30cm(種まき後60~90日)
早採りしてもおいしく食べられるため、柔らかい小カブの段階で収穫するのもおすすめです。
プランターで育てた小カブは、株元を持って軽く引き抜くだけで簡単に収穫できます。
よくあるトラブルと対処法
根が曲がる・二股になる(岐根)
原因
- 土の中に石や固い土の塊がある
- 耕し方が不十分
- 肥料の塊が根に当たった
対処法
土作りの段階で、深さ30cm以上しっかり耕し、石や土の塊を完全に取り除きます。肥料は土全体に均一に混ぜ込むことが重要です。
根の中に空洞ができる(ス入り)
原因
- 収穫が遅れた
- 乾燥と多湿を繰り返した
- 肥料過多
対処法
適期を逃さず収穫すること、水やりを一定に保つことが予防策です。肥料は控えめに与えましょう。
根が割れる(裂根)
原因
- 水やりが不規則(急激な土壌水分の変化)
- 収穫が遅れた
- 肥料過多
対処法
環境を大きく変化させないことが重要です。乾いた土に一度に大量の水を与えず、こまめに少量ずつ与えます。
葉ばかり茂って根が太らない
原因
- 窒素肥料の与えすぎ
- 密植しすぎ
- 日照不足
対処法
追肥は控えめにし、間引きを適切に行います。日当たりの良い場所で育てましょう。
まとめ:成功のための5つのポイント
大根・かぶ栽培を成功させるための重要ポイントをまとめます:
- 土作りを丁寧に行う:「大根十耕」の教え通り、深くしっかり耕すことが最重要
- 秋まき栽培を選ぶ:初心者は8月中旬~9月中旬の秋まきから始める
- 間引きを適切に行う:3回に分けて間引き、最終的に適切な株間を確保する
- 水やりのバランスを保つ:過湿も乾燥も避け、一定の水分を保つ
- 適期に収穫する:収穫が遅れるとス入りや裂根の原因になる
大根とかぶは、基本を押さえれば初心者でも十分に栽培できる野菜です。プランターでも露地でも栽培可能なため、ご自宅の環境に合わせて挑戦してみてください。
秋に種をまけば、冬の鍋や煮物に使える新鮮な大根・かぶを収穫できます。自分で育てた根菜の甘みと食感は格別です。ぜひこのガイドを参考に、大根・かぶ栽培にチャレンジしてみてください。
他の野菜栽培にも興味がある方は、にんじんの育て方完全ガイドやじゃがいもの育て方完全ガイドもご覧ください。また、同じアブラナ科の白菜・キャベツの育て方も参考になります。