栽培用語

ネキリムシ

カブラヤガなどヤガ科幼虫の総称で、夜間に苗の地際をかみ切って倒し、昼は株元の浅い土へ潜む土壌害虫。

定義

ネキリムシとは、夜に苗の地際をかみ切って昼は土へ隠れるヤガ科の幼虫の総称です。名前に反して根ではなく地際の茎を食害するのが特徴で、若齢幼虫は葉を食べ、中齢以降に地際を切ります。主な種類はカブラヤガ、タマナヤガ、オオカブラヤガ、センモンヤガの4種で、西日本ではカブラヤガ、東日本ではタマナヤガが比較的多いとされます。幼虫は土中で越冬し、4〜5月に蛹化して第1回成虫が現れ、年間2〜4回発生します。

被害の特徴

  • 根がなくなるのではなく、苗の地際がかみ切られて倒れる形で現れます。切断面があり、株元の浅い土から丸まる灰色〜土色の幼虫が見つかれば可能性は高くなります。
  • 老熟幼虫は約40mm、発見時は45mm前後が目安ですが、小さい個体も除外せず、被害部位と潜伏場所を合わせて判断します。
  • 幼虫1匹が一晩で数株、多い場合には5株程度を加害します。倒れた苗は片付けず、幼虫の位置を示す印として残します。
  • 葉だけが穴だらけの場合はヨトウムシ類など葉を食べる幼虫、茎が切れずに株全体が萎れる場合は根傷み・病害・水分障害と切り分けます。
  • 定植直後に被害が目立ちます。早春〜初夏と8〜9月、さらに5〜10月は畑を点検し、暖地では冬も除外しません。

防除の要点

発生量を「少数」「反復」「広範囲」に分けると、必要以上の薬剤使用を避けながら初動を速くできます。1〜数株なら株元の土を少しずつ崩して捕殺し、周囲10株程度を点検します。数日反復するなら捕殺と点検に加えて防虫ネットと除草を組み合わせ、同じ畝で繰り返す場合は天敵線虫を検討します。畝全体に及ぶ広範囲の被害では、範囲を記録したうえで作物と害虫に登録のある農薬を確認し、商品名だけで選びません。

予防では、作付け前に雑草・古葉・枯葉を片付けます。雌は地際に1〜数個ずつ、1匹あたり数百個、多い場合は約1,000個を産卵し、地際の古葉や枯葉にも産み付けるためです。茂った雑草を一度に刈ると作物側への移動を助けるので、小さいうちから継続して除きます。定植は本葉4枚以上を目安とし、ネットの裾を塞いだあとも土中の幼虫は残るため朝の点検を続けます。発生履歴のある土では耕起や排水改善を行い、ハウスの多発土壌では透明マルチで約1か月覆う太陽熱消毒も選択肢になります。

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