じゃがいもの芽かきと土寄せ|大きな芋を収穫するための管理

じゃがいもの芽かきと土寄せの正しい方法とタイミングを詳しく解説。植え付け後の管理、手順、回数など、研究データに基づいた効果的な管理方法で収穫量を10~70%アップさせることができます。大きなイモを育てるための必須テクニックを初心者向けに紹介します。
じゃがいもの芽かきと土寄せ|大きな芋を収穫するための管理
じゃがいもを栽培していると、芽がたくさん出てきて「どうすればいいの?」と迷うことがあります。実は、芽かきと土寄せは大きなじゃがいもを収穫するための最重要作業です。これらの作業を適切に行うことで、収穫量を10~20%、条件によっては30~70%も増やすことができます。この記事では、じゃがいもの芽かきと土寄せの正しい方法とタイミングについて詳しく解説します。
| 作業 | タイミング | 目的 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 芽かき | 植え付け2~3週間後 | 養分集中 | 大きなイモ |
| 1回目土寄せ | 芽かき時 | 株安定 | 倒伏防止 |
| 2回目土寄せ | 花蕾時 | スペース確保 | 収量増 |
芽かきとは何か|なぜ必要なのか
芽かきとは、じゃがいもから出てきた複数の芽のうち、元気な芽を2~3本だけ残して他を取り除く作業のことです。じゃがいもの育て方完全ガイドでも紹介していますが、この作業には重要な理由があります。
芽かきをしないと、1つの種芋から多数の茎が育ち、養分が分散してしまいます。その結果、小さなイモがたくさんできてしまい、大きなイモが収穫できません。逆に芽かきをすることで、残した芽に養分が集中し、大きく充実したイモができるのです。
適切な芽かきを行うことで、じゃがいもの品質と収量を最大化できます。家庭菜園でも業務用栽培でも、この作業は欠かせません。
芽かきの適切なタイミングと方法
芽かきの時期
芽かきの最適なタイミングは、植え付けから2~3週間後、芽の草丈が10~15cmに成長した時期です(参考:じゃがいもの芽かきとは|UMMメディア)。あまり早すぎると芽が小さくて選別しにくく、遅すぎると取り除く芽も大きく育っており、養分の無駄が多くなります。

研究データによると、発芽後15日目が最も効果的で、この時期に芽かきを行うと総収量36.44トン/ヘクタールを達成できるという結果も報告されています(参考:Effects of Earthing Up on Potato Yield)。
芽かきの手順
- 残す芽を選ぶ:株全体を観察し、最も太くて健康そうな芽を2本選びます
- 根元をしっかり持つ:取り除く芽の地面に近い部分を指でつまみます
- 横に引き抜く:ゆっくりと横方向に力を加えて引き抜きます。急に引っ張ると種芋ごと抜けることがあるので注意してください
- 残した芽を確認:引き抜いた後、残した芽が傷ついていないか確認します
芽かきの注意点
| 注意事項 | 詳細 | 理由 |
|---|---|---|
| 雨上がりは避ける | 土が柔らかいと種芋ごと抜けやすい | 晴天2~3日後が最適 |
| 残す芽の数 | 基本は2本、小さい種芋なら1本でもOK | 養分を集中させるため |
| 引き抜く方向 | 必ず横方向に。上に引くと種芋が抜ける | 種芋を傷めない |
| 作業のタイミング | 晴れた日の午前中が最適 | 傷口が乾きやすい |
| 芽の選び方 | 太くて葉の色が濃い芽を選ぶ | 生育が良い証拠 |
芽かきで取り除いた芽は、条件が良ければ挿し芽として再利用することも可能です。ただし、病気のリスクがあるため、確実に収穫したい場合は廃棄することをおすすめします。
土寄せの重要性と効果
土寄せは、じゃがいも栽培において芽かきと同じくらい重要な作業です。じゃがいもの塊茎(食べる部分)は地下茎が肥大したもので、土の中で形成されます。土寄せを行うことで、イモが形成されるスペースが増え、収量が大幅に増加します。

土寄せの効果
土寄せには以下のような効果があります:
- 収量の増加:研究によると、適切な土寄せで収穫量が10~20%増加します(参考:タキイのジャガイモ栽培マニュアル)
- 緑化の防止:土から露出したイモが日光に当たると緑化し、有毒なソラニンが生成されます。土寄せはこれを防ぎます
- 倒伏の防止:茎の周りに土を盛ることで、株が安定し、風雨による倒伏を防ぎます
- 地温の調整:土寄せにより地温が安定し、イモの肥大に適した環境が維持されます
土づくりと肥料の基礎知識でも解説していますが、土寄せは単なる土の移動ではなく、じゃがいもの生育環境を整える重要な管理作業なのです。
土寄せの正しいタイミングと回数
土寄せは栽培期間中に最低2回、できれば3回行うのが理想です。研究では、3回の土寄せを行った場合、2回の場合と比べてさらに収益性が向上することが示されています(参考:Effect of Earthing up Frequencies)。

1回目の土寄せ(芽かきと同時)
芽かきを行ったタイミングで、1回目の土寄せを実施します。このとき、株元に軽く土を寄せる程度にとどめます。株の高さが10cm程度しかないため、あまり多くの土を寄せると、地温が上がりにくくなり、生育が悪くなることがあります。
土寄せの高さは、株元から5~7cm程度が目安です。同時に追肥も行うと効果的です。
2回目の土寄せ(花蕾がついた頃)
じゃがいもの花の蕾が見え始めたら、2回目の土寄せを行います。植え付けから約1ヶ月後が目安です。
このとき、株元にしっかりと土を盛り上げ、山のような形を作ります。土寄せの高さは10~15cm程度まで上げます。この時期は地下でイモが肥大し始めるタイミングなので、十分な土のスペースを確保することが重要です。
2回目の土寄せでも、追肥を同時に行います。ただし、窒素成分が多すぎると茎葉ばかりが茂り、イモが大きくならないため、カリ成分を重視した肥料を選びましょう。
3回目の土寄せ(任意)
余裕があれば、花が咲いた後にもう一度土寄せを行います。イモの緑化を完全に防ぐため、露出している部分がないか確認しながら土を追加します。
土寄せの具体的な方法とコツ
土寄せに必要な道具
土寄せの手順
- 通路の土を掘る:株と株の間(通路部分)から土を掘り起こします
- 株元に盛る:掘った土を株元に寄せ、山型に盛り上げます
- 形を整える:株の両側から土を寄せ、三角形の山のような形にします
- 高さを確認:土寄せの高さが均一になっているか確認します
土寄せは、追肥と同時に行うと作業効率が良くなります。まず株の周りに肥料を撒き、その上から土を被せるように土寄せをすると、肥料が土に混ざり、根に届きやすくなります。
大きなイモを収穫するための追加テクニック
株間を広げる
研究によると、株間(株と株の距離)を広げることで、1株あたりのイモの数が増加します。株間40cmでは1株あたり10.93個のイモができますが、10cm間隔では6.7個に減少します。
大きなイモを収穫したい場合は、株間を30~40cm程度確保しましょう。家庭菜園の始め方完全ガイドでも説明していますが、適切な株間は収量と品質に大きく影響します。
肥料のバランス
じゃがいもの肥大にはカリ成分が特に重要です。窒素:リン酸:カリの比率が1:1:2程度の肥料が理想的です。窒素が多すぎると葉ばかり茂り、イモが育ちません。
水やり管理
じゃがいもは乾燥に強い作物ですが、イモが肥大する時期(花が咲く頃)には適度な水分が必要です。ただし、過湿は病気の原因になるため、排水の良い環境を維持することが大切です。
収穫のタイミングと注意点
芽かきと土寄せを適切に行ったら、次は収穫のタイミングを見極めることが重要です。

収穫の目安
じゃがいもの収穫時期は、茎葉が半分以上枯れた頃です。葉が黄色くなり、茎が倒れてきたら収穫のサインです。このタイミングで、イモの表面が固くなり、皮が剥がれにくくなります。
収穫が遅れると起こる問題
収穫が遅れると、イモの肥大が進みすぎて以下のような問題が発生します:
- 空洞ができる:イモの中心に空洞(中心空洞症)ができることがあります
- イモが割れる:大きくなりすぎたイモが割れてしまいます
- 腐敗しやすくなる:土中で長期間放置すると、病気や腐敗のリスクが高まります
収穫のコツ
収穫は、晴天が続いた後の乾燥した日に行います。土が湿っていると、イモに泥がつき、保存性が低下します。また、収穫時にイモを傷つけないよう、株から30cm程度離れた場所から掘り始めましょう。
収穫後のじゃがいもは、直射日光を避け、風通しの良い場所で数日間乾燥させてから保存します。野菜の害虫・病気対策完全ガイドでも説明していますが、適切な収穫と保存が病害虫被害を防ぐ鍵となります。
よくある失敗とその対処法
芽かきで種芋ごと抜けてしまった
土が湿っているときや、芽を上方向に引っ張ると種芋ごと抜けてしまうことがあります。この場合、すぐに種芋を土に戻し、しっかりと土を被せます。多少のダメージなら、そのまま育つことが多いです。
土寄せの土が足りない
通路の土だけでは土寄せに必要な量が確保できない場合、外部から土を持ち込むか、堆肥や腐葉土を混ぜてかさ増しします。ただし、未熟な堆肥は病気の原因になるため、完熟したものを使用しましょう。
花が咲かない
じゃがいもの品種によっては、花が咲かないものもあります。花が咲かなくても、植え付けから約2ヶ月後を目安に2回目の土寄せを行えば問題ありません。
まとめ|芽かきと土寄せで大きなじゃがいもを収穫しよう
じゃがいもの芽かきと土寄せは、大きく充実したイモを収穫するための必須作業です。
芽かきのポイント:
- 植え付けから2~3週間後、草丈10~15cmで実施
- 健全な芽を2本残し、他は横方向に引き抜く
- 晴れた日の午前中に作業する
土寄せのポイント:
- 最低2回、できれば3回実施
- 1回目は芽かき時に軽く、2回目は花蕾時にしっかりと
- 追肥と同時に行うと効率的
研究データでも、適切な芽かきと土寄せにより収穫量が10~20%、場合によっては30~70%も増加することが示されています。
以下の作業スケジュールを参考にしてください:
| 作業タイミング | 作業内容 | 目的 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 植え付け2~3週間後 | 芽かき+1回目土寄せ+追肥 | 養分を集中、株の安定 | 健全な芽2本を残す |
| 花蕾がついた頃(約1ヶ月後) | 2回目土寄せ+追肥 | イモ肥大スペース確保 | 10~15cm土を盛る |
| 開花後(任意) | 3回目土寄せ | 緑化完全防止 | 露出部分を確認 |
| 茎葉が半分以上枯れた頃 | 収穫 | 完熟したイモを収穫 | 晴天続き後に実施 |
手間はかかりますが、収穫時の喜びは格別です。
じゃがいもの育て方完全ガイドと合わせて、この記事を参考に、ぜひ大きくておいしいじゃがいもを栽培してください。適切な管理で、家庭菜園でもプロ並みの収穫が可能になります。
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