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いちごの育て方完全ガイド|甘くて大きい苺を家庭菜園で栽培する

いちごの冬越し管理|マルチングと防寒対策で春の収穫を確保

公開: 2026年2月6日更新: 2026年2月12日
いちごの冬越し管理|マルチングと防寒対策で春の収穫を確保

いちごの冬越しに必要なマルチングと防寒対策を詳しく解説。適切な時期、藁の敷き方、温度管理、水やりのコツから春のマルチ除去まで、実践的な管理方法を紹介。プランター栽培、地植え両方に対応した冬季管理の完全ガイドです。

いちごの冬越し管理|マルチングと防寒対策で春の収穫を確保

冬の寒さはいちご栽培において最も気を配るべき時期です。適切な冬越し管理を行うことで、春の収穫量と品質が大きく変わります。本記事では、マルチングと防寒対策を中心に、いちごの冬越しに必要な実践的な管理方法を詳しく解説します。

いちごは比較的寒さに強い作物ですが、-5℃以下になると凍害を起こしやすく、-20℃以下では花芽が死滅する可能性があります。特に積雪の少ない地域では、マルチングと防寒対策が収穫の成否を分ける重要なポイントとなります。

参考:プランターでいちご栽培!冬越し成功の秘訣を解説

いちごが冬に受ける主なダメージ

冬季のいちご栽培で注意すべきダメージは主に3つあります。まず、低温による凍害です。根や花芽が凍結すると、春の生育に深刻な影響を与えます。

次に、土壌の凍結と解凍の繰り返しによる「霜柱」の被害です。これにより株が地面から押し出され、根が露出して乾燥や凍害を受けやすくなります。

最後に、冬の乾燥と強風による株の弱体化です。葉が乾燥すると光合成能力が低下し、春の生育が遅れる原因になります。

ダメージの種類発生温度主な症状対策の優先度
凍害(根・花芽)-5℃以下根の黒変、花芽の枯死
霜柱による根の露出0℃前後の日変化株の浮き上がり、根の乾燥
乾燥と強風気温に関係なく葉の褐変、生育不良
雪害(積雪地)長期積雪株の腐敗、病害

参考:How to Overwinter Strawberries

マルチングの適切な時期と方法

マルチングは気温が-6.7℃(20°F)以下になる前に完了する必要があります。ただし、早すぎるマルチングは株の「寒さへの馴化」を妨げるため、1~2回の軽い霜が降りてから作業を始めるのが理想的です。

マルチング材料は清潔な藁(麦わら、稲わら)が最適で、3~5インチ(約7.5~12cm)の深さで敷き詰めます。藁は通気性がよく、適度な保温効果があります。

マルチングの手順

  1. 株周辺の雑草を取り除き、地面を整える
  2. 株元から放射状に藁を敷き始める
  3. クラウン(株の中心にある生長点)は埋めないよう注意
  4. 株間や通路にも均等に敷き詰める
  5. 風で飛ばされないよう、軽く押さえる

黒色マルチシートを使用する場合は、日射を効率よく吸収して地温を高める効果があります。ただし、通気性が藁より劣るため、株元の蒸れに注意が必要です。プランター栽培では、ココヤシファイバーやバークチップも利用できます。

参考:Getting Strawberry Plants Ready for Winter

防寒対策の実践テクニック

マルチングに加えて、追加の防寒対策を行うことで、より確実に冬越しできます。

防寒対策の実践テクニック - illustration for いちごの冬越し管理|マルチングと防寒対策で春の収穫を確保
防寒対策の実践テクニック - illustration for いちごの冬越し管理|マルチングと防寒対策で春の収穫を確保

不織布・寒冷紗の活用

霜が降りそうな夜は、株全体を不織布や寒冷紗で覆います。これらの資材は通気性がありながら、放射冷却による凍害を防ぐ効果があります。朝になったら取り除き、日光を十分に当てましょう。

風よけの設置

冬の乾燥した強風は、株の水分を奪い、葉を傷めます。防風ネットや支柱で風よけを設置し、特に北風が当たる側を保護します。

プランター栽培の場合

プランターは地植えより凍害を受けやすいため、以下の対策が有効です。

  • 軒下や南向きの壁際に移動する
  • 発泡スチロールの箱に入れる
  • プランターごと地面に埋める(簡易的な地植え状態)

極寒期には、無加温の物置や車庫に一時的に移動させるのも効果的です。ただし、完全な暗闇に長期間置くと株が弱るため、日中は日光に当てることが重要です。

参考:いちごの冬越し完全ガイド

冬季の温度管理と水やり

いちごの最適な生育温度は、昼間20~24℃、夜間6~10℃です。冬季は特に夜間の最低気温が5℃を下回らないよう管理することで、花芽の発育と受精がスムーズに進みます。

冬季の温度管理と水やり - illustration for いちごの冬越し管理|マルチングと防寒対策で春の収穫を確保
冬季の温度管理と水やり - illustration for いちごの冬越し管理|マルチングと防寒対策で春の収穫を確保

水やりのポイント

冬は植物の水分蒸発が少ないため、水やりの頻度は減らします。ただし、完全に乾燥させると根が傷むため、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。

  • 水やりは午前中の早い時間に行う(夜間の凍結を防ぐため)
  • 株元にかからないよう、周囲の土に水を与える
  • 厳寒期でもなるべく毎日チェックし、必要に応じて水やり

プランター栽培では、土が凍結しやすいため、地植えより水やりに注意が必要です。受け皿に水を溜めたままにすると根腐れの原因になるため、必ず捨てましょう。

ビニールハウスや温室で栽培している場合は、加温機の設定温度を夜間5~8℃に保つことで、燃料費を抑えながら安定した生育を維持できます。

参考:イチゴハウスのベストな夜の最低温度は?

春に向けたマルチの取り除き方

春が近づき、気温が上昇し始めたら、マルチを段階的に取り除きます。目安は、株の約25%が新芽を出し始めた頃です。

マルチ除去の手順

  1. まず株の中心部分のマルチを薄くする
  2. 新芽の成長を確認しながら、徐々に全体を取り除く
  3. 遅霜の予報がある場合は、再度軽くマルチを被せる
  4. 完全に除去後も、通路のマルチは雑草対策として残してもよい

マルチを取り除くタイミングが遅れると、株が蒸れて病害の原因になります。また、新芽が伸び始めた後に急いで取り除くと、芽を傷つける恐れがあるため、慎重に作業しましょう。

春先は気温の変動が大きいため、天気予報をこまめにチェックし、柔軟に対応することが大切です。マルチを完全に除去した後は、株元の古い葉を取り除き、追肥と水やりを再開して、春の開花と結実に備えます。

葉物野菜の育て方ブロッコリーの栽培でも同様に、春先の温度管理が重要です。

参考:Properly Mulch Strawberries for Winter

まとめ|冬越し管理で春の豊作を実現

いちごの冬越しは、マルチングと防寒対策を適切に行うことで、春の収穫量と品質を大きく向上させることができます。

重要なポイントをまとめると以下の通りです。

  • 気温が-6.7℃以下になる前に、7.5~12cmの深さで藁マルチングを行う
  • クラウン(生長点)は絶対に埋めず、株の周囲のみ保護する
  • 霜が降りる夜は不織布で追加防寒し、風よけを設置する
  • 冬の水やりは午前中に行い、土の凍結を避ける
  • 春先、株の25%が新芽を出したらマルチを段階的に除去する

冬の管理は手間がかかりますが、この時期の丁寧なケアが、甘くて大きないちごの収穫につながります。じゃがいもの育て方玉ねぎ・ネギの栽培など、他の冬越し作物にも応用できる技術なので、ぜひマスターしてください。

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