栽培用語

アブラムシ

口針で師管液を吸う体長1〜4mm程度の吸汁性害虫で、春と秋に増えやすいアブラムシ。

定義

アブラムシとは、口針で師管液を吸う体長1〜4mm程度の吸汁性害虫で、日本には700種以上が生息するとされます。柔らかい成長点や新葉へ集まりやすい一方、老化し始めた下葉でも見つかります。暖かい時期はメスだけで子を産み、生まれて10日ほどで成虫になるため増殖が速く、色だけで種類を決めるより、付着場所と被害の組み合わせで判断するほうが実用的です。増えやすい時期は春と秋の15〜25℃前後で、目安として3〜5月と9〜11月がピークですが、温度管理された施設では季節に関係なく発生します。

被害の特徴

  • 吸汁が続くと、葉の縮れ、黄化、変色、落葉、生育停滞が現れます。虫体だけでなく、これらの症状と組み合わせて見分けます。
  • 糖分を含む甘露で葉面がべたつき、黒い汚れが広がる場合はすす病も疑います。黒い部分だけを拭いても、上方の群れが残れば再発します。
  • アリが株元から茎へ繰り返し登る様子は診断材料になりますが、アリの有無だけで断定せず、甘露・脱皮殻・虫体のいずれかを確認します。
  • ウイルス病を媒介します。ウリ科では、アブラムシ類・コナジラミ類・ミナミキイロアザミウマにより7種類のウイルスが伝染すると整理されており、生育初期の感染ではキュウリ最大50%、メロン最大40%の減収が示されています。
  • 乾燥した環境、狭い株間、茂りすぎた葉、窒素肥料の過剰が重なると増えやすくなります。購入苗への付着や近くの雑草、有翅型の飛来も確認します。

防除の要点

対策は、被害が「少数の局所発生」「外からの継続飛来」「複数株への拡大」「ウイルス病の疑い」のどれに当たるかで分けます。手順は、診断、局所除去、翌日確認、侵入予防、登録農薬の判断という5段階です。少数ならテープや弱い水流で除去し、飛来が続くなら防虫ネットと反射資材で侵入を減らします。ネットを張る前に内部の個体をできるだけ除き、裾の浮き、破れ、支柱との隙間を点検します。アブラムシ向けには0.8mm以下の目合いが示されていますが、細かい網ほど通気が落ちるため内部の蒸れも確認します。

天敵ではテントウムシが幼虫・成虫ともにアブラムシを捕食しますが、1平方メートル当たり50匹以上では単独防除が難しいとされ、キャベツやブロッコリーの蝋状物質、トマトやメロンの微細な突起で活動が制限される例もあります。農薬は複数株へ広がり物理除去で追いつかない場合に検討し、作物名、アブラムシ類への適用、希釈倍数または使用量、使用時期、使用回数、使用方法をラベルで照合します。葉のモザイクや鮮明な黄化、萎縮がある株は、虫の数が少なくても健全株から離すことを優先します。

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