栽培用語

白菜・キャベツの害虫

白菜・キャベツの葉や生長点を食害する、アオムシ、ヨトウムシ、コナガなどの害虫の総称。

定義

白菜・キャベツの害虫とは、アブラナ科の葉や生長点、結球部を食害または吸汁する昆虫などの総称です。家庭菜園で目立つチョウ目害虫には、アオムシヨトウムシコナガがあります。被害が似ていても、幼虫の大きさ、食べ跡、活動時間、卵の付き方が異なるため、虫の種類と成長段階を見分けて対処します。

この管理対象は、特定の一匹を捕殺する作業だけを指しません。成虫の飛来を防ぐ、葉裏と株元を観察する、卵や若齢幼虫を除く、栽培環境を整える、必要な場合だけ適用のある農薬を使う、という複数の手段を組み合わせます。

主な害虫と被害の見分け方

  • アオムシモンシロチョウなどの幼虫で、葉を外側から食べます。成長した幼虫ほど食害量が増えるため、小さな穴や緑色のふんを早期発見の手がかりにします。
  • ヨトウムシ:若齢期は集団で外葉を薄く食べ、中齢以降は食害量が増えます。日中に見つからない場合は葉陰や株元を確認し、夜間の食害も疑います。
  • コナガ:葉裏に産卵し、幼虫は初期に葉肉へ潜り込みます。成長後は表皮を残して食べるため、白斑、半透明の斑点、スケルトン状の食べ跡が識別材料になります。

穴の大きさだけでは断定しません。葉裏の卵、幼虫の集まり方、葉脈や表皮の残り方、結球内部への侵入、ふんの位置を合わせて観察します。診断が曖昧なまま同じ対策を繰り返すと、侵入経路や適切な処理時期を見落とします。

防除の基本順序

  1. 侵入前に覆う:種まきや定植の直後から防虫ネットを隙間なく設置し、成虫の飛来と産卵を抑えます。
  2. 葉裏を定期観察する:外葉だけでなく、葉裏、生長点、葉の重なり、株元を確認します。卵や若齢幼虫の段階なら、被害葉の除去や捕殺を行いやすくなります。
  3. 栽培環境を整える:周囲のアブラナ科雑草を除き、過度な密植を避けます。ネット内に虫を閉じ込めていないかも点検します。
  4. 必要時に適用農薬を選ぶ:作物名、害虫名、使用時期、希釈倍数または使用量、使用回数を製品ラベルで確認します。幼虫が大きくなってからではなく、発生初期の処理を優先します。
  5. 効果を記録する:処理日、害虫、成長段階、使用した方法、数日後の変化を記録し、効かなかった原因を診断します。

この順序は総合的病害虫管理の考え方に沿います。防虫ネットだけ、捕殺だけ、薬剤だけに依存せず、予防・観察・物理的除去・必要時の薬剤を重ねます。

農薬を使うときの注意

農薬は商品名の知名度だけで選びません。白菜とキャベツは別の作物名として登録条件が示される場合があり、同じ製品でも対象害虫や使用時期が異なります。使用前に農林水産省の適正使用情報と製品ラベルを照合し、現在の登録内容を優先します。

効きにくい場合も、直ちに使用量や濃度を増やしません。害虫の見誤り、幼虫の老齢化、葉裏への散布不足、降雨、ネット内への再侵入などを確認します。コナガなどで薬剤抵抗性が疑われるときは、同じ系統の連用を避け、物理的防除と組み合わせて管理します。

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